医療機器の部品加工の特徴について徹底解説

1-1 医療機器の定義

医療機器は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の薬機法で規制されています。また医療機器には様々な機器があり、冒頭でも説明したような機器は全て医療機器に当たります。そして、医療機器は下記のように薬機法で定義されております。

「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等（再生医療等製品を除く。）であって、政令で定めるものをいう。」

引用：医療機器とは？一般社団法人　日本医療機器産業連合会
http://www.jfmda.gr.jp/device/about/

1-2 医療機器の分類

医療機器には様々な分類があり、使用における安全上のリスクや目的に応じて下記のように分類されております。

■ 高度管理医療機器

【例】
　クラスⅣ：ペースメーカー、人工血管、PTCAカテーテル
　クラスⅢ：人工透析器、人工骨、人工呼吸器

■ 管理医療機器

【例】
　クラスⅡ：X線撮影装置、心電計、注射針

■一般医療機器

【例】
　クラスⅠ：X線フィルム、舐らいざ、血液ガス分析装置

引用：医療機器とは？一般社団法人　日本医療機器産業連合会
URL：http://www.jfmda.gr.jp/device/about/

2-1 医療機器の部品製作のプロセス

では、上記医療機器の部品については、どのような特徴があるのでしょうか。まず医療機器の開発において留意すべき点は「開発から製品化、販売までのスパンが長い」ということがあります。

例えば、製造・販売に至るまでには、下記のようなプロセスがあります。

• 試作
• 非臨床試験
• 臨床試験（治験）
• 承認申請　→　製造販売承認
• 保険適用申請　→　医療収載
• 製造販売

さらには、QMS（品質マネジメントシステム）の対応も求められます。このようなプロセスを経て生産がおこなわれ、また１０年以上にも渡り使用される機器も多いため、一度部品供給が進めば、少量でも長期間供給が行われることも重要です。

それでは、医療機器の部品製作において何が求められるのでしょうか。下記にて説明していきます。

2-2 医療機器の部品製作で求められる8つのポイント

一般社団法人日本医療機器産業連合会（医機連）の委員を務める城風氏は、下記のようなポイントを述べております。

• 自社にない優れた固有技術を有すること
• 要求する精度の加工技術を有すること
• 安定して高品質の部材を供給できること
• 安価な部材を供給できること
• 少量でも長期間・安定して供給できること
• 当該部材の製造・供給実績が十分にあること
• QMS（ISO 9001など）を運用していること
• GMP（Good Manufacturing Practice）の考え方を製造現場に反映していること。

引用：医療機器に部品・部材供給するには？ー新規参入へのアドバイスー | 医療機器の製造・開発 展示会・セミナー Medtec Japan |東京ビッグサイト
URL：http://www.medtecjapan.com/ja/news/2016/05/13/1515

さらに、経済産業省では「医療機器の部材供給におけるガイドブック」をまとめており、その中には「汎用品の供給に関する留意点」「受託生産における留意点」「共同開発を行う際の留意点」が掲載されております。ぜひ、そちらもご覧ください。